肉と体臭の関係性とは?臭いの原因と予防に必要な食品を紹介

体臭と食べ物の関係は深く、食べてから数時間後に影響が出るものがあれば、腸内で腐敗して皮膚から臭いが排出されるなど、さまざまなケースがあります。

なかでも肉料理は、体臭を強くさせる可能性がある成分を含むので、体臭が気になる人にとっては食べ過ぎに気を付けたい食材です。

なぜ肉を食べることは体臭に影響があるのか、メカニズムや原因、改善方法を詳しくご紹介します。

体臭の臭いの種類に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

体臭の臭いの種類を徹底解説

ご自身の体臭の種類が、どのやタイプに該当するかご存知でしょうか? 例えば、「チーズのような臭いを感じるけれど、これはどんな体臭なんだろう?その原因や対策方法は?」というように、ご自身の体臭がどんな種類かわからないという方もいらっしゃること[…]

ワキガ体質かどうかを確認する方法


体臭のメカニズム

体臭というものは皮膚の分泌物が酸化し、揮発することによって臭ってくるものです。そして、臭いの元となる分泌物は、体内から汗腺を通って排出される汗や皮脂。

これらは、日々の食事や生活習慣によって量や質が変わり、臭いを引き起こします。また、加齢による代謝や汗腺機能の低下でも臭いが強くなるので、体臭を軽減させるには年齢や体質に応じた対策が必要です。

なかでも食べ物は毎日摂取するので気を付けたいところ。今回は食卓のおかずにもなりやすい“肉”にスポットを当てて、どのような影響があるのかご紹介します。

肉による体臭は周囲からの印象にも影響がある

食事をはじめとする生活習慣は体臭に影響があると考えられるが、具体的に食事が体臭にどう影響するかは知られていない。

そこで、赤身肉を食べることが、体臭などの周りからの印象にどう影響する調査結果があります。

実験方法

  • 被験者は17人の男性
  • 彼らを2グループに分け、2週間、片方には肉食メニューを、もう片方には肉ナシメニューを食べさせた。
  • 最終日の24時間は全員に脇パッドを装着させ、はずしてすぐのパッドを嗅ぐことで評価した。
  • ここで1回目の評価を行った
  • その後、両グループに逆のメニューを2週間食べさせ、再度同じ方法で2回目の評価を行った。

※2回評価することで「もともと臭い人だったのではないか?」という批判が出ないようにしてるではないかと推測されます

  • 評価者は30人の女性(全員、ホルモン不妊治療をしていない)
  • 評価基準は4つ:「心地よさ」「魅力」「男らしさ」「臭いの強さ」
  • 評価方法:実際に嗅いでこれらをどう思うかを答えてもらった

実験結果

肉を食べないグループは「体臭の強さ」が低く「心地よさ」「魅力」が高い

出典:https://academic.oup.com/chemse/article/31/8/747/364338

一つの実験結果を挙げましたが、少なからず肉を食べることによって、体臭に対して周囲からの印象に対しても悪影響を与えることがあると言えます。

肉/動物性タンパク質が原因で悪化する体臭は?

動物性たんぱく質は、筋肉や血液を作り、エネルギーの源になりますが、食べ過ぎることで体臭が悪化することがあります。

動物性たんぱく質によって悪化するニオイは、ワキガ臭、腸内環境の悪化によるニオイ、疲労臭の3つです。

ワキガ臭

動物性たんぱく質を多く摂取することで、アポクリン腺から分泌されるたんぱく質の量が増える可能性があります

ワキガ臭は、アポクリン腺からの分泌物であるたんぱく質などを皮膚上の常在菌が分解することで発生します。したがって、たんぱく質の分泌量が増加することでワキガ臭が強くなると考えられます。

腸内環境の悪化による体臭

動物性たんぱく質は悪玉菌の餌となり、悪玉菌の増加につながります

動物性たんぱく質を食べ過ぎることは腸内環境の悪化を招き、結果的にニオイの悪化にも繋がります。そのため、動物性たんぱく質を食べ過ぎないようにし、善玉菌を増やす食事を心がけましょう。

疲労臭/アンモニア臭

疲労臭は、アンモニア臭のニオイですが、アンモニアはたんぱく質を分解することで生成されます

そのため、たんぱく質を過剰に摂取することでアンモニアを多く生産してしまい、疲労臭の悪化に繋がる可能性があります。

対処方法

植物性タンパク質を積極的に摂取しましょう。

動物性たんぱく質を摂取すると、たんぱく質と同時に脂質も多く摂取してしまいます。そのため、たんぱく質を必要な分のみ摂取するために、動物性たんぱく質の代わりに植物性たんぱく質を食べることがおすすめです。

しかし、動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質よりも必須アミノ酸を多く含んでおり、吸収しやすいです。そのため、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂取すると良いでしょう。

具体的な食べ物

下記に動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を多く含む具体的な食べ物を紹介します。

動物性たんぱく質 肉類(鶏肉/豚肉/牛肉など)・魚類・卵・乳製品(チーズなど)
植物性たんぱく質 米・小麦・大豆・ブロッコリー・ほうれん草・エンドウ豆・サツマイモ・ナッツ類など

肉/動物性脂質が原因で悪化する体臭は?

動物性脂質は、体を動かすエネルギーとなりますが、過剰に摂取することで皮脂の過剰分泌を促します

動物性脂肪を過剰に摂取することで悪化する体臭は、汗臭、加齢臭、ミドル脂臭、ワキガ臭、腸内環境の悪化によるニオイの5つです。

汗臭

動物性脂質は皮脂の分泌を促すため、動物性脂質を控えることで、汗臭の悪化を防ぐことができます。ただし、皮脂は少ながらず分泌されるため、動物性脂質を控えてニオイの悪化を防げても完全にニオイを消すことはできません。

ワキガ臭

脂質を摂りすぎると、アポクリン腺から分泌される脂質の量が増加してしまいます。ワキガ臭は、アポクリン腺からの分泌物を常在菌が分解することでニオイが発生します。そのため、脂質の分泌量が増加はワキガ臭の悪化を招きます。

加齢臭

動物性脂質は皮脂の分泌を促します。加齢臭は、皮脂の分泌量が多くなるほど、加齢臭の元となるノネナールが多く生成され悪化してしまいます。皮脂の分泌を抑えるために動物性脂質を摂りすぎないようにしましょう。

ミドル脂臭

ミドル脂臭の原因の1つである中鎖脂肪酸は皮脂に含まれているため、皮脂量の増加はミドル脂臭の悪化に繋がります。ただし、ジアセチルの生成を抑えることができないため、ミドル脂臭を完全に抑えることはできません。

腸内環境の悪化による体臭

動物性脂質は、消化に時間がかかるため腸内で悪玉菌が増加し、腸内環境の悪化につながります。

対処方法

動物性脂質の代わりに植物、魚類由来の脂肪を食べましょう。

動物性脂質には飽和脂肪酸が多く含まれ、植物性脂質や魚類には不飽和脂肪酸が多く含まれています。不飽和脂肪酸は体内で生成できないため食事から摂取する必要があります。肉類などの動物性脂質だけでなく、植物性脂質、魚類も摂取しバランスの良い食事をしましょう。

お肉を食べたい方は次項で紹介する食品と合わせて、お肉を摂取するようにしましょう。

体臭対策のための3つの食品と1つの飲料

体臭対策のための3つの食品と1つの飲料

肉を食べ過ぎると成分を分解する肝機能に負担をかけてしまいますが、適切な量であれば体臭に大きな影響をあたえることはありません。

摂取する時の注意や食べ合わせを工夫して、バランスよく食べる方法を考えるための大事な成分と食品例をご紹介します。

梅干しを代表とする「アルカリ性食品」

体液を弱アルカリ性傾向に保つ「アルカリ性食品」を食べることは、体臭予防には必須です。

もともと体液はほぼ中性に保たれていますが、肉を摂取し過ぎたり、前述した糖質制限ダイエットによって発生するケトン体も体内を酸性傾向にします。

そのような状態を「アルカリ性」の食事を摂取することで中和させる必要があります。

「アルカリ性食品」の代表は梅干しでが、その他にもお酢、納豆、もずく等の海藻等も挙げられます。
肉のような酸性食品の摂取により体臭が気になる方は、可能な限り食事にアルカリ性食品を取り入れましょう。

海藻等の「食物繊維」の多い食品

肉料理と同時に、食物繊維の多い食材を摂取するのがおすすめです。

食物繊維は腸内環境を整える働きがあるので、悪玉菌を減らしてくれます。水溶性・不溶性のタイプがあるのでバランスよく摂取してください。

水溶性食物繊維は、海藻や果物に含まれており、粘性を持ち腸内のコレステロールに吸着して体外に排出してくれます。

不溶性食物繊維は、繊維質の強い野菜や穀類に多く、水を吸収して大きくなり便のかさが増すことで腸のぜん動運動を促します。

どちらも便通を良くしてくれますが、不溶性は食べ過ぎると便秘を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。

ビタミンCやE等の「抗酸化食品」

皮膚面からの臭いを防ぐためには「抗酸化作用」がある食品を摂取するのが効果的です。

レモン等の果物やほうれん草等の緑色野菜から取れるビタミンC、アーモンドなどのナッツ類、ウナギなどの魚介類、大豆、穀類、緑黄色野菜などに多く含まれてるビタミンEがあります。

ご飯やパンを玄米や麦芽入のパンに変更して、ビタミンCの多い野菜や果物と一緒に、定期的にに摂取するのがおすすめです。

「ウーロン茶」等の脂質を吸収を抑制する飲み物

脂肪はエネルギー源として体内に吸収されますが、脂肪が蓄積され続けると肥満気味になってしまいます。
肥満気味になると皮脂量が増え、体臭に影響を及ぼしかねません。

脂肪の吸収を抑制するには、ウーロン茶重合ポリフェノールを含む「ウーロン茶」がおすすめです。

ウーロン茶重合ポリフェノールは、脂肪の吸収を助けるリパーゼという消化酵素の働きを抑制し、脂肪分を便として体外に排出してくれます。

飲料だけで脂質摂取のリスクをすべて取り去ることはできませんが、脂質吸収を抑える一助にはなるでしょう。

焼肉やステーキなどと一緒にアルコールドリンクをよく飲んでいる人は、次回からウーロン茶に変えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

数ある食材のなかから“肉”に焦点を当てて、体臭との関係をご紹介しました。臭いの原因のひとつではありますが、一番の対策は肉に偏ることなくバランスの良い食生活を心がけることです。

肉を食べ過ぎた、と思ったらしばらくは野菜中心の食生活に変更したり、飲み物をお茶類に変えたり、小さなことですができることから始めてみてください。

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